こんにちは。足と靴の専門店『くずは優足屋』の西岡です。今年の箱根駅伝で8割の選手が着用し区間新を連発、話題をさらったナイキの厚底シューズ・ヴェイパーフライ。禁止になるのでは?という報道がされていましたが、1月31日に世界陸連が新ルールを発表し一転容認となりました。
しかし、この新ルールもまだまだ問題点が山積みのような気がします。ランナー&シューフィッター目線で記事にしていきたいと思います。
厚底容認の世界陸連新ルール。まとめ。
まずは新ルールについて日本経済財新聞社からの記事のリンクを貼っておきますね。↓
現行の厚底靴ヴェイパーフライは容認されたのですが、2020年4月30日から施行される新ルールを簡単にまとめると以下の通り
・靴底は40mmを超えるものは不可。
・反発性を高めるためのプレートは1枚のみ。
・4カ月以上市販されたものに限る。
・医療上の理由を除き特注品は不可。
現在のヴェイパーフライはソールの厚みが36mmらしく、カーボンプレートも1枚のみなので容認となったそうですが、ナイキが次に発売を考えていたアルファフライは40mmを超え、プレートも3枚だったのでこれは今後、公認レースでは使えないようです。
どこまでが市販品?どこまでが特注品?インソールは?
ヴェイパーフライが容認となったことでオリンピックに向けてシューズを変更しなくて済んだ選手はホッとしていることだと思いますが、今回新ルールに目を向けたいのは『4ヵ月以上市販されたもの』という点と『特注品は不可』という点。
男子選手はナイキの厚底を履く選手が圧倒的に多いですが、男子に比べて筋力の弱い女子選手は従来の薄底を履く選手が多くいます。その中でトップランナーから未だに多く支持されているのが現代の名工『三村仁司氏』のシューズ。
高橋尚子選手や有森裕子選手のシューズを手掛けたことでも有名な方です。
現在はニューバランスジャパンと契約していますが、兵庫県に自身の工房『ミムラボ』があり、そこで選手に合わせたシューズの作成を行っています。私も以前仕事の関係で訪れたことが有り、「君はO脚がきついからフルマラソンは走れないよ。」と結構キツいことをズバッと言われました(笑)
ミムラボでシューズを作成しているという選手は多いと思いますが、新ルールに照らし合わせると市販されてない特注品ということで禁止になるのかと思います。
ただ、ですよ。ニューバランスと契約しているわけですから市販品と同じソールやアッパーを使って、市販品と全く同じ見た目に作成することは可能なはずです。足の形や大きさは人によってそれぞれですから、ソールやアッパーは市販品と同じでもしっかり足に合わせたいという選手は多いはずです。でも、それもルール違反なのでしょうか?
今もあるかはわかりませんがアシックスは市販品と同じシューズで左右のサイズを変えたりできるオーダーシステムがありましたが、それもアウトなのでしょうか?市販品と特注品との線引きがこれまた難しい部分ですね。
くずは優足屋のインソールを入れたらアウト?
そして、インソールを作成する立場からするとインソールを変えたらだめなのかも気になる所です。マラソンランナーだけには限りませんが、シューズのインソールをオーダーメイドのものに変えている方はたくさんいらっしゃいます。
これも新ルールに従えばアウトということなんでしょうかね?くずは優足屋のインソールは靴とのフィット感を高めるとともに足を安定させるためのプレートも入ってますから、反発性を高めるプレートが入っているってことでその部分もアウトかな?
医療上の理由を除き特注品は不可っていうルールも医療上の理由って例えばどんなことなんだろうって思いますね。例えば外反母趾のランナーは診断書があればオーダーでもOKとかなるのかな?
新ルールが発表されましたが、いずれにせよまだまだ混乱しそうな気配がプンプンしているマラソン・シューズ界です。今後どうなっていくのかが不安でもあり、楽しみでもあります。
長文お読みいただきましてありがとうございました!
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