こんにちは。足と靴の専門店『くずは優足屋』の西岡です。シドニーオリンピックのマラソンで金メダルを獲得した高橋尚子さんのサイン入りシューズを知人からいただき、昨日から『くずは優足屋』にて展示しています。このシューズに関する裏話を今日はブログのネタにしたいと思います。
現代の名工・三村仁司氏の手掛けた名作
私、店主西岡の知人が高橋尚子さんの大学時代の先輩に当たり、家に飾っていたものを「誰の目にも触れないのはもったいないから・・・」とくずは優足屋に持ってきてくださいました。
このシューズはシドニーオリンピックで金メダルを取った時のシューズと同モデル。それにご本人がサインをしたものです。踵部分にサインが入っていて、右足に『高橋尚子』、左足に愛称の『Q』の文字。
このシューズは現代の名工に選ばれた靴職人・三村仁司氏が手掛けたシューズです。三村氏は陸上選手としてインターハイに出場するなど活躍後、アシックスに入社し、後にスポーツ選手のオーダーメイドシューズの作成に携わるようになります。
野口みずきさんや有森裕子さん、イチロー選手のスパイクの作成なども行っていたそうです。
少し前に話題になったドラマ・陸王に出てくるシューフィッターもこの三村さんがモデルだとかいう噂(本当かどうかはわかりません)。
勝負を賭けた左右の高さの違うソール。
ここからは三村さんの著書からの裏話なのですが、高橋尚子さんは非常に練習量の多い選手で有名でした。その分、怪我、故障も絶えない選手でした。
怪我の原因を探るため高橋尚子さんの脚をチェックすると、左右で8mmの長さの差がありました。そこで、三村氏は左右のソールの高さが異なるものを作成して手渡しました。
その後、足の痛みも出ずに順調に調整が進みました。
しかし、シドニーオリンピックの直前に「シューズのソールの高さを左右同じにしてほしい。」と高橋尚子さんから依頼が・・・。
「また足が痛くなるぞ。履きにくいのか?」と聞いても首を横に振り、理由は語らない。
真意は『今まで左右同じソールで戦って勝ってきたから』。
後日、三村氏は「左右同じ高さのソールに戻しておいた。」と言ってシドニーに向かう高橋尚子さんにシューズを手渡しました。
そのシューズを履いて、見事に金メダルを獲得したのですが、実は「左右同じ高さのソールに戻しておいた。」というのはウソ。実際は左右で高さの違うソールのシューズを渡していたそうです。
「これで負けたら責任を取らなければ・・・。」そう思って辞表を出す覚悟をしていた三村氏は金メダルのゴールを見て、嬉しさよりもホッとしたと語っています。
参考文献:一流はなぜ「シューズ」にこだわるのか 著者三村仁司 p.34~40
わずか数mmだけど、大きな数mm。
足と言うのは非常に敏感に出来ています。アスリートであればそれはなおさらです。
例えば当店でもインソールの作成を行っていますが、インソールの厚みを1mm変えると履き心地は大きく変わります。ですから、1mm単位での調整が必要になります。
くずは優足屋でのインソール作りでもスポーツをされる方の故障を減らし、パフォーマンスを100%発揮できるように、一般の方には身体に負担が少なく、快適に歩けるようにこだわって作製をさせていただいています。
いつかくずは優足屋のインソールユーザーから金メダリストが出る事を夢見て頑張ります。
ウォーキングシューズ・オーダーメイドインソール・フットケア
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